No.274 介護士のケアマネの現場から見た役割とステップアップの道

介護の現場で働く中で、「ケアマネ(介護支援専門員)」という役職に興味を持つ介護士は少なくありません。ケアマネは、介護サービスの計画を立て、利用者の生活を支える専門職ですが、実際にどんな業務を行い、どのようなスキルが求められるのでしょうか?本記事では、介護士の視点からケアマネ業務の内容を詳しく解説するとともに、キャリアアップとしてケアマネを目指す際のポイントについてもご紹介します。
ケアマネージャーとはどんな仕事?

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、要介護者一人ひとりの心身の状態や生活環境をふまえて、必要な介護サービスを調整・計画する仕事です。介護保険制度のもとで、利用者や家族の相談に乗り、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、サービス提供事業者との連携・調整を行うのが主な役割です。
そのため、介護の現場で培った実務経験や知識は大きな強みとなります。ケアマネは現場の理解があるからこそ、利用者や家族の不安や希望に寄り添いながら、実際に可能な支援策を組み立てていくことができるのです。
勤務先もさまざまで、居宅介護支援事業所、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、小規模多機能型施設などでケアマネとして活躍することができます。
介護士としての経験が活きる場面

介護士として現場経験がある人は、利用者の細かなサインに気づく力、現場スタッフの気持ちを理解する力、そして“ケアがどのように実行されるか”というリアルな感覚を持っているため、ケアマネ業務で非常に強みを発揮できます。
たとえば、「実際にはこの動作は本人には難しい」「このサービスではこの人の不安は取り除けない」といった判断を、机上の理論ではなく、現場目線で組み立てることができます。こうした“実感のあるプラン”が、結果として利用者と家族の満足度を高め、信頼されるケアマネにつながっていきます。
ケアマネを目指すにはどうすればいい?
ケアマネになるには、介護福祉士や看護師などの国家資格を持ち、5年以上(かつ900日以上)の実務経験を経たうえで、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。
試験では、介護保険制度、福祉サービス、医学的知識、ケアマネジメントの理論などが問われ、広範な知識が求められます。合格後には実務研修を受け、修了して初めてケアマネとしての登録が可能となります。