No.281 現場で信頼される介護士のケアマネジャーとの上手な関わり方
介護の現場では、介護士とケアマネジャーが連携して、利用者一人ひとりに最適なケアを提供しています。ケアマネは介護計画の作成や調整を担い、介護士はその計画に基づいた日々のケアを実践するという、異なる立場で協力しあう存在です。現場でのケアの質を高めるためには、両者のスムーズなコミュニケーションと信頼関係が不可欠です。本記事では、介護士として知っておきたいケアマネとの関係構築術と、より良い連携のための立ち回りについて解説します。
役割の違いを理解し、尊重する姿勢をもつ
介護士とケアマネジャーは、同じ「介護」の仕事でも担っている役割が異なります。ケアマネは利用者や家族と面談を行い、希望や状況を踏まえてケアプランを作成する立場です。一方、介護士はそのケアプランを現場で実施し、利用者の様子を直接見て判断します。だからこそ、お互いの立場を理解し、「なぜこのプランが組まれているのか」「現場で何が起きているのか」を共有し合うことが大切です。立場を超えた対話が、より良いケアにつながります。
報告・連絡・相談の質で信頼関係を築く
ケアマネに対する「報・連・相」は、ただの業務連絡にとどまりません。たとえば、「Aさんが最近ご飯の量が減ってきた」や「転倒しそうな動きが増えている」といった小さな変化も、介護士がしっかり伝えることで、ケアプランの見直しにつながります。単なる出来事の報告だけでなく、「なぜそれが気になったのか」「どうしてそう感じたのか」まで伝えることで、ケアマネはより的確な判断ができます。この積み重ねが信頼を生み、対等なパートナーシップを築く土台となります。
プランに対して意見を伝えるときのコツ
ケアプランに対して疑問を感じたときや、現場でうまくいっていないときには、遠慮せずにケアマネに伝えることが重要です。ただし、その際には「否定」ではなく「提案」の姿勢がポイントです。たとえば、「Bさんの入浴支援、現在週3回ですが、肌の状態が悪化しているので頻度を見直せませんか?」といった具体的な観察結果を添えて話すと、相手にも伝わりやすくなります。現場のリアルな声は、ケアマネにとっても貴重な情報源です。
チームケアの一員としての意識をもつ
介護現場では、看護師・リハビリスタッフ・栄養士など、さまざまな専門職が協力しています。介護士とケアマネもその一員として、互いに専門性を活かして協働する姿勢が求められます。日々のケアに対して「自分ごと」として責任を持ち、ケアマネとも一緒にケアを考えていくスタンスが、信頼される介護士への第一歩です。上からでも下からでもなく、「同じ目線で支える仲間」として関わることで、チームの力は最大限に発揮されます。
介護記録は未来へのメッセージ
記録は単なる作業ではなく、ケアマネとの「言葉を超えた対話」の手段でもあります。記録がしっかり書かれていれば、ケアマネが現場にいない時間帯の利用者の様子も把握できます。たとえば、「Cさん、昼食前は機嫌が悪かったが、食後は穏やかになった」など、細かな心の変化を記録することが、ケアの質向上に直結します。介護士の視点が反映された記録は、ケアマネにとって非常に重要な判断材料です。






