No.280 職場の人間関係に悩まない!介護士の信頼関係づくりの秘訣
介護現場で働く介護士にとって、利用者との信頼関係と同じくらい重要なのが「職場での人間関係」です。スタッフ同士の連携や支え合いがうまくいかないと、仕事の効率が下がり、ストレスが溜まりやすくなります。一方で、よい人間関係は介護の質も働きやすさも高めてくれます。この記事では、介護現場で信頼される人間関係を築くために大切な考え方や具体的な行動について、実践的にご紹介します。
相手を尊重する姿勢が信頼関係の第一歩
介護の現場では、職種や立場、年齢の異なるスタッフが一緒に働いています。中には意見や価値観が合わない相手もいるでしょう。そうしたときでも、まずは「相手の考え方を否定しない姿勢」が大切です。たとえば、自分と異なる介護方法を提案されたとき、「それは違う」と即否定するのではなく、「なるほど、そういうやり方もあるんですね」と一度受け止めることで、相手は心を開きやすくなります。
また、「ありがとう」「助かりました」など、日常的な感謝の言葉を交わすことも、信頼を築くための基本です。小さな一言が、職場全体の空気を柔らかくし、ギスギスした雰囲気を防ぎます。
コミュニケーションは“報連相”だけじゃない
介護の仕事では「報告・連絡・相談(報連相)」が基本ですが、それだけでは不十分なこともあります。大切なのは“雑談”や“何気ない会話”も含めた日常的なコミュニケーションです。仕事の合間に「今日は利用者さんの笑顔が多かったですね」など、ちょっとした感想を共有することで、自然と距離が縮まりやすくなります。
また、コミュニケーションの量だけでなく、質も意識しましょう。一方的な指摘や命令口調ではなく、「○○していただけると助かります」「一緒にやってみませんか?」といった協調的な言葉がけを心がけることで、相手も気持ちよく応じてくれます。
対立が起きたときの冷静な対処法
どれだけ気をつけていても、人間関係に摩擦はつきものです。誤解や価値観の違いから、対立や不満が生じることもあるでしょう。そうしたとき、感情的に反応してしまうと、関係は悪化する一方です。
まずは一呼吸置き、「なぜこの人はこう言ったのか」「自分にできる改善点はあるか」と冷静に内省することが重要です。そして、必要があれば第三者であるリーダーや上司に相談し、間に入ってもらうことも解決の手段となります。大切なのは「解決のために行動する」ことであり、「我慢し続ける」ことではありません。
多職種連携の中での信頼づくり
介護施設では、看護師、生活相談員、ケアマネジャー、調理員、清掃スタッフなど、さまざまな職種の人が関わっています。それぞれの役割や業務範囲は異なりますが、「自分たちがいるから介護が回っている」という意識を、全員が持つことが求められます。
たとえば、看護師に対して「もっと手伝ってほしい」と不満を持つ前に、まずはお互いの業務内容を理解することが第一歩です。そして、「〇〇さんの対応、本当に助かりました」といった具体的な感謝の言葉を伝えることで、他職種との信頼も深まります。信頼関係ができると、業務の境界線を超えたサポートが自然と生まれ、職場全体のチームワークが向上します。






