No.287 介護士になるために知っておきたい働き方の選択肢と実際の姿
介護士の働き方は、かつての「きつい・汚い・給料が安い」といったイメージから大きく変わりつつあります。高齢化社会が進む中で、介護の現場は多様化し、働き方のスタイルも柔軟になってきました。正社員やパート、夜勤専従、訪問介護など、自分に合った働き方を選ぶことで、長く続けられるキャリアを築くことが可能です。本記事では、介護士の働き方の種類とその実際の姿を詳しく紹介し、自分らしい働き方を見つけるヒントをお届けします。
正社員として働く:安定性と責任感を兼ね備えたスタイル
もっとも一般的な働き方は、介護施設や事業所での正社員勤務です。週5日勤務で、早番・日勤・遅番・夜勤などのシフト制が基本です。給与面や福利厚生が整っていることが多く、ボーナスや有給休暇、育休・産休制度などを活用できるのも正社員のメリットです。
一方で、常勤で働く分、担当する利用者のケアの質や業務遂行に対する責任が大きくなります。チーム内での連携や記録業務、家族対応、会議への参加なども業務の一環となり、総合的なスキルと柔軟性が求められます。キャリアアップを目指す人にとっては、もっとも成長機会が多い働き方です。
パート・アルバイト:家庭やライフスタイルに合わせて働ける柔軟な形
子育て中の方や、体力に自信のない方でも働きやすいのが、パート・アルバイトという働き方です。1日数時間、週2〜3日といった短時間勤務が可能で、扶養内で収めたい主婦層や副業を希望する方に人気があります。
施設によっては、午前中のみ、あるいは午後から数時間だけといったシフトも用意されており、生活リズムに合わせた働き方がしやすくなっています。仕事内容は正社員とほぼ同じ場合もありますが、記録や委員会活動などの業務負担は軽減されていることが多いです。
夜勤専従:高収入を目指したい人に人気の働き方
夜勤専従の介護士は、月に数回〜10回前後、夜間のみの勤務を担当します。1回あたりの勤務時間が16時間前後と長くなる代わりに、日勤よりも時給が高く設定されており、少ない日数で収入を確保したい人に適した働き方です。
夜間はスタッフの人数が限られているため、緊急対応や判断力が求められる場面も多く、経験者に向いています。日中に別の仕事や家事をしている人も、自分の時間を確保しながら効率的に働けるのが魅力です。
訪問介護:個別対応で利用者と深く関われる働き方
施設ではなく、利用者の自宅を訪問して介護を行う「訪問介護」も人気の働き方のひとつです。身体介助や生活援助を、1件あたり30〜60分単位で担当するスタイルで、自転車やバイクでの移動が一般的です。
訪問介護は利用者と1対1で関わる時間が長く、落ち着いた環境で丁寧なケアができるのが特徴です。一方、緊急時には一人で対応しなければならないプレッシャーもあり、判断力と責任感が問われます。パートや登録ヘルパーとしての働き方も多く、家庭と両立したい人に向いています。
派遣・紹介予定派遣:自分に合う職場を探しながら働く選択肢
派遣という働き方を選ぶ介護士も増えています。派遣会社を通じて一定期間ごとにさまざまな施設に勤務し、経験を積んだり、自分に合う職場を探したりできるのがメリットです。
紹介予定派遣では、一定期間の派遣勤務を経て、職場と本人の合意があれば正社員として採用されるケースもあります。働きながら職場の雰囲気を確認できるため、転職に不安を感じている人にとっては安心できる選択肢です。
副業・Wワークという新しい働き方も広がる
最近では、週末だけ夜勤に入る、平日は別の仕事をしながら登録ヘルパーとして働くなど、複数の仕事を掛け持つWワークのスタイルも広がりを見せています。特に副業が解禁された企業に勤めている人や、資格を活かして休日に働きたい人にとって、介護の現場は貴重な働き口となっています。
介護業界も人手不足を背景に、副業希望者の受け入れに柔軟になってきており、時間や曜日を指定できる求人も増えています。多様な働き方を組み合わせることで、自分にとって無理のないキャリア設計が可能になります。


